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2018年3月19日 (月)

ときどきトランス日記 No.81 / 酒を呑むの記。

独りぼっちで遊ぶのが好きな所為か、先の短旅以来、独り昼呑みが気持ち良い。
なので「多古屋」
国分寺駅前で正午から開けている居酒屋。
広くて安くて大衆的。思うにこの広さが良いのだ。楽。
ぶらぶらと散歩の途中なので少々身体が冷えている。なので座るとすぐに「熱燗2合で、、」
と、新人ってことがばれない様に気を使う莫迦。訳知り顔で。
酒が来るとすかさず「鮪刺し」290円也を注文するのね。玄人顔で。
などと楽しいことをしているうちに徳利は空に果てている。
ならばここはひとつ、名物の18時までは100円のチューハイだろうと思う。
何故ならば、そこそこ入ってるお客の大半がこれを注文しているようなのね。

一緒に鳥皮串を誂えて2杯ほど味わって散歩の続きに戻る。
大人のおやつだからね、このくらいでイイのだけれど、いつかナポリタンを注文
したいと思う。
居酒屋のナポリタンなんて美味しいに決まってる。

Tako02
ことほど左様に独り昼呑みは楽しいのですが、夜はねー、矢張り少し寂しいと云うか。
誰かと語らい酌み交わしたい時もあってね。
てことで、友人のB画伯と@多古屋。更に先の宵のこと。
この晩の寒さは凄まじく、もう熱燗以外思いつかないほど。
塩らっきょうとか鮪刺しなんかで、いやいやおひとつ、なんか言いながら、楽しい。
厚焼き卵がほかほかで湯気がたっている。
「これ、あの人が作ってくれたと思うと何か有り難いですよねぇ~」と言われて、
そちらを伺うと、カウンターの向こうにはいかにも料理が上手そうな、そのなりも佇まいも
が、板前さ~ん、って感じの初老の方がいらっしゃる。
バイト君が適当に作ってる感は微塵もなくて、こりゃ確かに有り難し、と思う。価値がある、
と思う。
そうして我々はその後18時過ぎからは160円になるチューハイを、際限もなく呑み続けたのだ。

Tako01

来週ね、息子が友達とバリ行くんだよね、なんて画伯に言ったら「う~ん、それは、良いですねぇ、
彼のルーツである訳だし、なにかそう云う、求め、みたいなものが、、」

おぉ、さすがBちゃん、自分は却って驚いたりした。
そういう熱い読み。
それからシニシズムなんかの話になって「でもアレは餓鬼の頃に罹る麻疹みたいなものでさ」とか
「けどそれが治らずに大人になった奴もいて、って云うかそう云う人の方が圧倒的に多いよな」とか、
「いやいや、治っていないフリしてる奴もいたりして」
、、、。

「矢張り熱い方が良い」

そう云う結論を得、すっかり熱くなった我々は、立ち呑み「佐々木」で少しクールダウンしてから帰ったぜ。

しかし、立ち呑みと言えば、矢張り荻窪の「つまみや」だと思う。

あぁ、またかとお思いでしょう。
だが先の夜、2週間ぶりにつまみや。

先々月末から茗荷谷に6日、虎ノ門に1日の用事がでも、すべて終わってしまった。
帰りにいつも行ってたのに、今度何時丸ノ内線に乗るのかわからない。寂しさが募る。

Gin
いや、別に中央線で上ることがあれば、帰路に途中下車してもいいようなもの。
だけれど何かそれは収まりが悪いと云うか。
終点荻窪でメトロの改札出ると、左手にJR改札。正面に南口へのエスカレーター。
自分は迷わず地上へ向かい、通りを渡り、ごちゃっとした南商店街の細い角曲がって
ほんの少し。
去年ライブやったインド料理のナタラジとかカルディコーヒーファームの前通り過ぎ
るともう看板が見えて来るからちょっと早足になって。
いつもそうだったから。

Tsumami1

今日は胃腸が絞めつけられると云うか、非常に緊張を強いられる時間の多い用事だった
ので、おでんの大根と卵が実に優しく胃に沁みて、こころにも沁みて、コダマバイスで3杯、
〆に熱燗なんか頼んで、ほぐれ切った我が身を中央線が国分寺まで運んでくれた。

ところで昨日の土曜日の昼下がり。
とうとう自分は多古屋のナポリタンにありついてしまった。

先に熱燗で鮪刺しなんかをつまんでいたので、酔いがほろほろとほろけそうになっている。
なので早速100円也のチューハイに切り替えてしゃっきりして、静かにナポリタンの到着
を待った。

だが、到着したブツを見て矢張り思う。これは独り呑みでは頼みづらいのではないか。いや、複数人でも男だけならば頼みづらい。女子供がいないと頼みづらいのではないか、と思う。

色が鮮やかなオレンジ色だ。で、油でつやつやぴかぴかしてる。物凄く目立つ。派手だ。
隣席の初老男性ふたり呑みの方に「え、何これ!」と話しかけられてしまった程だ。

だが自分は慌てることなく麺をすすった。
何故ならば、家人と一緒だったからねー。
旨かった。いや、本当にね。

Tko4
その日は映画に行ったんだよ。
「シェイプ.オブ.ウォーター」
異形の者をどうしようもなく愛してしまう女性を軸に据えたストーリー。
だけど全体を覆うトーンが「ウルトラゾーン」とか、遥か昔のアメリカ製怪奇テレビドラマ。
だからそう云うの観ていた小学生の頃に戻されちゃった。
薄暗い部屋の隅にある白黒のテレビ。いつでも夕方だったと思う。そう云う時間に
アメリカの夢を見ている。

薄暗い骨董品店の片隅でちらりと光って、あぁ、こんなところに
居たんだ、、と思わず手に取るような映画。

実はこれ、古い友人のやっているザ.パルジファルというバンドのCDを聴いたとき思ったこと。
彼らの音楽。
それは。

薄暗い骨董品店の片隅でちらりと光って、あぁ、こんなところに
居たんだ、、と思わず手に取るような音楽。

このところ、こう云う話ばかり。

歳を取るにつけ、色んなもの、ことが低下していくけれど、その欠損した場所にうまく嵌まるもののひとつに独り呑みがあるのではないかと思う。

昔、英国を旅した時に、パブでそういう老人を随分と見かけた。日本の居酒屋と同じで、そういう人たちは早い時間にしかいなかったような気がする。

そうやってよろよろと酒を呑む余生、にはまだ少し時間はあるのかも知れないけれど。

Gin2


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