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2018年2月

2018年2月 3日 (土)

ときどきトランス日記 No.80 / 干物を食べてから無になる。

港がすきだ。
それに此処には「深海魚水族館」がある。
自分は深海魚の写真集を持っているし、それが硝子越しに本物が観れるなんて凄い、いつかきっと行こう。
そう思っていた。

小田急線や東海道線を乗り継いで、でもこの日は寒くてね、熱海駅で乗り継ぐ時には小雪舞う。
だからちょっぴり後悔をした。折角の休みの3日間、家でぬくぬくと映画でも観てれば良かったよな、と。
でも沼津駅から、大通りを外れた狩野川沿いの道を港へと歩きながら考えた。
自分はナニをしたかったと云うと、移動がしたかっただけだ。
暮れから正月からこっち、ここ数日前まで、なんだか身体にも心にも、ぎっしりとナニかが詰め込まれてあった様な心持で過ごしていた。だからちょっと移動したくなった。すこし隙間が必要。
雪は小雨に変わっていて、凄く寒いけど、それでもいい。

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30分くらい歩くと港。身体が冷えているし、空腹だった。
干物を商うお店の奥が食堂になっていて、小ざっぱりしていて感じが良い。
500円の鯖の醤油干し定食を注文する。
切り身が大きくて、御飯と味噌汁はお替わりが自由で、お腹も身体ももう暖かい。

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水族館はね、、想像していた、この世のものではないような貌の生物はいなくて。
でも可愛い奴らがたくさんいた。まだこの世のこっち側の住人と云うか。愛を感じる連中。

水槽の硝子にぴったり顔をつけて視界を水中だけにすると、感覚がふわりと浮きあがって時間が止まる。
「無」が拡がって、水中に居た頃思い出す。

でも超深海のあっち側の疑似環境をこっち側に作るのは難しいのだろう。其処の住人を連れて来て住まわせるのだってきっと。
だから自分たちは写真集やCGで我慢しなければならない、そう思った。
此処の見物のひとつに冷凍シーラカンスがあるからだね、入口の壁に貼りついた、シーラカンスとウナギイヌが合体したみたいなゆるキャラが可笑しい。動くし喋るし、名前が「シーラ爺」おぉ、こりゃシーラ'E'から取った?あの。
Tommy爺、いや'G'も吃驚だぜ。
でも、会ってみたかった、、愛どころか、全ての情感をも拒絶する、絶対孤独の世界の住人たち。

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外に出てみたら、天気が回復していて青空。
潮の匂い、倉庫の屋根に鴎、冬の陽が緩く反射する水面、映り揺れる対岸の松林。

じゃあもう少し歩こうかな、湊町。
後は歩いて「見つける」だけ。
自分の好きな「感じ」を。

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それでも3時過ぎには駅前の繁華なエリアにいた。
沼津。港も駅まで続く住宅なんかのエリアも、繁華な辺りも、何処も作りが新しくて、これはしまったなと思わされた。
だからこその見つける楽しみもあるんだけど、此処は手強い、、時期が悪かった、と思う。次回だな、、そしてその次とは自分的には50~60年先だろうか。

4時くらいから「かわむら」で呑んだ。
此処は沼津で最古参の酒蔵がやっていると云う。と云うと敷居が高そうだが、大衆的で安価。
などと云うことを自分は予め調べてあって、まだまだそう云う審美眼、探求眼は持てていない。

旅の最大の楽しみ、酒。
この酒の一番旨い呑み方は「独り」であること。
しかし独りぼっちで外呑みなんて老後の楽しみにと取っておいたのに、もう。
いや、既にそれなりの歳だ。まぁおずおずと。

此処は9時で閉店だけど、昼からやってるのね。自分の如き酒飲みの旅行散歩者には大変有り難い。
んで、ぽつぽつと独り呑み爺さんが居る、来る。
あぁ、自分もやっとこう云う人達の仲間に入れて嬉しいなぁ。でもまだ新人。

がらがらなのに何故かカウンターの自分の隣に座った20歳くらい年上の爺様は、見た事のないサイズのニッカの小瓶(350ml)を、コップにじゃぼじゃぼ注いでストレート。出された水には口もつけずに2本目を注文している。
アテはシラスと何かの和え物の小鉢ひとつ切り。
お会計は950円。
、、ううん、達人っぽい。
自分は2合徳利の熱燗とホッキ刺の小鉢が空いたばかりで、ジャンボコロッケを頼んだら、もうこれがホントにジャンボ~、10×25センチくらい、大体。
こりゃビールだろうと、アサヒの大瓶を注文する。

と、まぁ、此処でばたばたとこう云うことをしているのは自分ばかりで、他の人々はなんか渋いなぁ、、
そうしてお会計2000円也を払った修行の足りぬ自分は、それでも幸せな心持でホテルに戻った。

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ゆっくり風呂に浸かって、それでもまだまだ宵の口。何か買い出しに行って、お酒も買って来て、独りの宵を楽しもうと思う。
その積りは、でも積りだけで朝を迎えてしまった。
いい加減な寝かたで、薄いバスローブ様のものだけが身体に絡まっている。

夕べは満足したんだ。

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