« 2015年2月 | トップページ | 2015年4月 »

2015年3月

2015年3月13日 (金)

Easyrider物語 #9 / クロージングタイム

さあ、もう閉めるよ。店じまいだ。
そこの四人さん、もうお終いだ。
あぁ、そうだね。今晩のステージは良かったらしいね。みんな言っていたよ。
でももうお終いだ、明日からまたそれぞれの暮らしに戻るんだろう?

そうか、わかったよ。じゃああと一杯づつだけ飲んでっていいよ。

なんて。

こんな風に物語を終わらせるのも悪くない。
だって、言葉がうまく出てこないから。

まだたった5日前のことなのに、もうずうっと昔の夢みたいだ。
いつか年老いて、この人生は夢のようだったと、うつらうつらと日々を過ごす頃、きれぎれにこのことを思い出すのかも知れない。
夢のような人生ではなく、人生がただ夢のように過ぎて行ったのだと。

でもこの物語にも決着をつけねばならないな。
物語は絶頂へと向かって昇りつめ、そして果てた、、それはいつだったのだろう?

ステージに登る直前に4人で手を合わせたその時、この物語は終わったのだと思う。
以心伝心。みんなの手が触れ合って、バンドの体温感じて、、
全員が、あぁ、これで本当に全部が終わるんだな、と感じたその刹那に。

Dsc_1102

「事」のはじまりから167日目、ドラムのカウントの4拍目の直後、この刻の向こう側、堆積した20年のすべてがステージの上に、ぼくらのうえに雪崩れてきた。
そして全身全霊を込めた1拍目。
こんな経験をすることはもう今生ではないのだろうと思う。

Dsc_1145
誰よりも落ち着いていて、重く確実なビート。こんなドラマーと演れて自分は幸せだったんだなと思って何度も笑った。背を向けたステージで。
ステージの上「事」の存在感は消え、バンドの音だけがあった。そしてそれはけんが一番強く望んでいたことだった。
けんは癌に勝った。これはそういうことだと俺は思い、笑いが止まらなかった。
今を生きること。そしてそれがRock’nRollだということを、無意識にせよ教えてくれた、付き合わせてくれた。それを俺は一生忘れないと思う。

Dsc_1089
楽しかったり苦しかったり、邪気も無邪気も飲み込んで今日まで走ってきた。
疾走感だけを頼りにね。でももう身体が附いてこなかったりもした。
おかげで身体のあちこちに変調が現われた。ヘルペスだの気管支炎だの、初めてのことだ。
それでもこの事全部のベクトルが「感謝」という、何か暖かく明るいおおきな存在に向かって放射線を描いている。
3月8日。みんながそのなかにいた。其処にいたすべてのひとが。

Dsc_1204

一旦終わったこの物語は長い幕間に入ります。
何時、もう一度幕が開くのかはわかりませんし、初戦は勝利したこの「事」が顛末を迎えたわけでもない。
だからRock’nRollの絆たちよ、また会おう。

* Special Thanks for...

仕事が終わるとその足で、一日も欠かさずリハーサルスタジオに駆けつけVTRを撮影してくれていた我が家人、直子。
お客さんで来てくれたのに、結局当日スタッフで働いてくれた結花ちゃん。
舞台監督として、アドバイザー、フォトグラファーとして、本当に助けになった旧友Turbo、上田信、両氏にも、、
バンドから最大限の感謝を。

そしてもう一度言いたい。RockのRock’nRollの絆たちへ、、ありがとう。こころから。

2015.3.13 michiro-U.

Dsc_1317

Dsc_1320


Dsc_1277



| | コメント (0) | トラックバック (0)

2015年3月 5日 (木)

Easyrider物語 #8 / さっさと死んじまった奴もいたな。

*3月3日 9回目のリハーサル@17時~20時 吉祥寺StudioPenta

これで最終のリハーサル。
じりじりと下降していたバンドの音がここへ来て一気に良くなった。気合いとか気迫とか、何かそういう精神的なファクターがかかったのかも知れない。
竜の長年の相棒のアンプ、フェンダー.ツインリヴァーブが故障中で使えず、やむなくマーシャルを使ったら、これが大当たり。オールマイティなアンプではないが、いまのバンドの音にはぴたりと来る。歪んだトーンに深みがあると云うか。
当日の箱にも同じのがあるので期待できるなぁ。
そういうハプニングもバンドならではのこと。

アンペッグのベースアンプもこの最終回にきて、やっと好みにかなり近い音出せるようになった。いやぁ、難しいアンプだったな。でももうバイバイだね、付き合ってくれて有難うな。

けんの体調は良さそうです、表面上は。その内側、内臓の辺りのことは自分たちには計りかねるのだけれど、プレイ上の問題は今晩は見当たりませんでした。
良いドラマーです。

Er26

旧い旧い友人ふたりも参加しての、ワインで最終打ち合わせ、、などはほんの少しで、たくさん飲んだな。さっさと死んじまった昔々の仲間の話なんかで。
凄いロックのヴォーカリストだった奴。
Easyriderはそのバンドと何故かウマが合い、対バンやったり遊んだりした。けんと自分は短いあいだだったけれど、そいつのバンドのリズム隊務めたりもしてた。今日来てる旧い友人のひとりはそこのギタリストだった。
そいつのこと思い出してたら、こんな話に転がった。
バンドの始まりの頃、半分冗談ではあったけれど、じゃあ親爺バンドコンテストとか出ちゃう?なんて言っていた。で、先の晩、偶然テレビでそれを観たのだが、あぁ、このひとたちと自分たちは凄く違うな、と感じた。
誤解を恐れず言ってしまうならば、立ち位置が全然違う。こうはなりたくないな、と思った。

さあ、この物語もあと一回か二回でお終い。
明実は顔馴染みになったスタジオの兄ちゃんに「もう来ないよ」なんか言っていて、その後ろでけんは「いや、また来るから」なんてぼそっと喋ってる。
これでもうお終いになるのか、それとも期限未定の幕間に入るのかはいまはまだわかりません。
本番が終わってすぐに出る答えでもないし。
それはその時の時間が熟れてからのことだろうと思う。

とまれ。

Rock’n Roll!!

Er27a

| | コメント (0) | トラックバック (0)

« 2015年2月 | トップページ | 2015年4月 »