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2015年2月

2015年2月27日 (金)

Easyrider物語 #7 / けんの教え。

*2月26日 8回目のリハーサル@19時~21時 吉祥寺StudioPenta

今日は朝から日射しも強く、暖かい日だ。こんな日が休日とはツイてるなとは思うが、別に出掛けもしないし。
ベランダで洗濯物干しながら珈琲でも淹れようかと考える。あぁ、夕べは寒くてびしょびしょした晩だったな、、とも考えている。
とまれ、珈琲が出来たらオールマンブラザーズバンドのストーミーマンディを是非聴こう。

今日のけん。
ますます白くなってしまったように思う。フルボディの赤ワインみたいな血尿が肌から血の気を奪っていくのだろうか。飾られる前のマネキン人形の肌。
だが、今晩のプレイはかなり良い。スネアーの打音にリズムが戻って来ている。勢いがある。
スティックの握りの試行錯誤も成功したみたい。運動具店で色々見てみて、テニスラケットの柄に巻きつける薄いゴム状の滑り止めに落ち着いたようだ。

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ギターの竜は機材トラブルで思うような音が出ないのもあって、疲労困憊してる。実は自分も集中力を著しく欠いていて、疲労は極限に近いところまで来ているのかも、と思う。まぁ、そんなこともあとでワインを沢山飲めば忘れてしまうが。
このところの明実の口癖、、8日が終わったらアタシは生ける屍となるだろう、、若しくは明日のジョー。
毎晩遅くまで、深夜になるまで、当日流すBGVを作っていると云う。20年前のライブ映像を編集して。

20年前の自分はまるで餓鬼のようだが結構弾けてるし髪の毛もふさふさだ、こいつは負けられぬ。ただ、長き不奏だったベースというものは、久し振りに弾いてみたらば、その立ち位置の考え方が当時とは変わったようだ。いま、の時点でのベースがあるのだろう。頭髪もだが。

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しかしこうやって20年前のライブを観てみると、現在のバンドの音は確実に重くなっているし、ヴォーカルの説得力も高い。けれど、ああやって軽々とロックンロール出来ていた頃には多分もう戻れない。
ロックンロールはタイムマシーンではなく、矢張り今、でしかない。けんは無意識にせよ、それを教えている。

RockへRock’n Rollへ再ダイヴ。もうそのまんま沈んでしまえるのならばそれは幸せかも知れない。けれど自分はどうしたってもう一度浮かび上がらねばならぬ。
渦に捲かれても、肺の中が空っぽになっても。

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全員でいつもの居酒屋。
ここでもけんの好調は続いていて、いつになくビールやワインを沢山飲んでる。顔に少し血の気が差して、酔っぱらったけんは20年前の貌。独りでどんどん喋ってる、みんな半分くらいしか聞いてないのにな、まるで昔みたいじゃないか。
しかし、こうやっていつもいつも呑んでるのに、互いのプレイの話や現在出ている音の話なんかは殆どした覚えがない。昔は何だかんだとやりあったものだけれど、本当にいまはその必要がないのだな。

隣に座っていたけんと交わした唯一の音的な話。
「昔はさ、白玉(音を伸ばす、の意)に自信なくて、ついつい余計な小細工とかしてたよなぁ~」「そうそう隙間恐怖症ってか」
「Knock’n on heavensdoorとか」「あぁ、ガンズな」「あ、癌ズアンドローゼス」「あ、俺大腸癌の疑いあってさ、実は今朝うんこに、、」「いやいや、LA癌ズ」
などと結局人間性の低さがいや増してくるのだった。

楽しい呑み会だった。
もうこんなのもあと一回でお終い。
それ思うとなんだかやっと泣けてきそうな気もして来たけれど、でもやっぱりそれはもっとずっと先のこととしたい。

ワインはどんどん運ばれて来るし。
本番まであと9日。

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2015年2月18日 (水)

Easyrider物語 #6 掌から砂が零れ落ち、砂漠になってゆくのか。

*2月17日 7回目のリハーサル@20時~22時 吉祥寺StudioPenta

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けんの体力は少しだけ戻ったみたいだ。前回のこと思うと、結構元気そうではある。
だけど掌の異変は前回より進んでいると云う。かさかさに乾いていて全く湿り気がないと云う。その爪はもはや老人のものだと。
頻回に濡らしたり、医療用のディスポーザブルグローブを着けてみたりと苦労が滲むけれど、どれも上手くはいっていないようだ。

本来スティックは軽く、程ほどの力で握り、打ちおろす刹那に力を込めて掌を締める。竹刀の素振りもそうだったな。
だが、今の状態の掌では、それではスティックが滑り落ちてしまう。だから始めから強く握っていなければならぬ。さらにグリップ力と爪は大きな関係がある。例えば足の爪がなかったら、立位を保つのは大変らしい。それと同じことが起こっていると思う。
しかも最初から強く握りしめていたらスナップを効かせようがないわけで、何と云うか、固い。滑らかにリズムが走らない、と云うか。

長年プレイしてきたドラムスなのに、新しい苦労を凄くしている、、

ところで僕はと云えば、鼻の下から唇にかけてヘルペス。んで、何故か右耳の後ろ側にも。これがぴりぴりとかなり痛い。
溜まりすぎた疲労と不摂生。
今月1日にそう言えばライフワークユニットのライブがあったんだった。
恵比寿のハロウィーンバー。大事な友人が経営してる小さなバーで。
久し振りに今の自分の重要楽器であるカリンバを存分に弾いてきた。相棒のギタリストSekiShowとカホンのあんりが一緒。いつもの自由度の高い緊密な時間。
だけど小さい空間は煙草の煙で白く霞んで、すっかり自分は喉をやられてしまった。その余波で翌日から酷い風邪症状。
けれど、その程度のことで日々の糧の為の労働を休むのは嫌。バンドのリハーサルだってすぐにある。友人たちと酒を呑む約束だってしてる。
なので一錠200円近くもする強力な風邪薬を頼みに、毎日を暮らした。それは2週間近く続いた。

そしたらこれだ、、ヘルペス。
間抜け面した俺はベースも巧く弾けやしない、、今日のリハーサルは筋肉が強張っていて全然駄目だった。酷く疲れてる、ホントに凄く疲れてる、、
だから、酷い風邪なんだから日々養生を心掛ければいいものを、呑みに行けばぺろぺろとワインを沢山飲んだりして。だけど身体の状態がそうい

うのにもう追いつかなくなって来てる。初めて味わったヘルペスが僕の歳を追い抜いて行った。

結局はけんの掌と同じ。
いつか身体は細かい細かいパウダーのような砂になって零れ落ち、それが砂漠へと続いて行くんだろう。

バンドのリズム隊は今晩はこんな感じだった。
昔なら鉄拳の飛んできそうな場面もあったが、ヴォーカルのAkemiは皆を引っ張り、ギターの竜はときに寄り添うように弾いてくれたりもしている。だからバンドの状態は良い。凄く良い。

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今晩はリハ後呑みにけんも付き合ってくれた。やはり体調は少し良いのかも知れない。
重要な話はリハ中にやってしまったので、他愛のない話ばかり。昔のゴシップ引っ張り出して来ては大笑いしてた。
車で来ていたけんが皆を家まで送ってくれた。こういうのもなんだか懐かしい。
昔みんながまだ車なんか持っていなかった頃、けんはこうして皆を車で送ってくれた。なんだか良くわからない中古の国産車で。
バンドで持っていたワゴン車であちこちツアーして周ってた頃もそうだったな。

とまれ。
バンドの予定曲が全て出揃った。
アンコール用も含めて11曲。
けんの体力との兼ね合いも考えつつ、当日の曲順が決まる。

いよいよライブが近い。

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2015年2月12日 (木)

Easyrider reunion Live !

ブログやEasyriderページの記事、沢山の人に読んで頂いていて、ホントに感謝!です。
夕べ友人たちと呑んでいて、でも日付けの記載が多いし、間違いもあったりして、肝心のライブ当日が何日だっけ?って感じに
なっちゃうよー、と御指摘、いやホントそうですね。有り難い。

なのでもう一回ちゃんと。

Easyrider reunion LIVE @ 吉祥寺 RckcJoint GB
3月8日(日)12:00~15:00
¥3000(高校生以下¥1000)+1Drink
お店の情報はこちら http://www.rock-gb.com/

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勿論、当日突然いらして頂いても大丈夫ですが、メンバー誰にでも良いので参加表明頂けると有り難いです。
ライブがハネたら大打ち上げパーティーもあるので、そっちの参加表明もね!

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2015年2月 8日 (日)

Easyrider物語 #4 / 四人は降車不可。終点もみえねえし。Easyrider物語 #5 / 段々と色素が抜けていって、最後には消えてしまうのかな。

Easyrider物語 #4 / 四人は降車不可。終点もみえねえし。

息子とたっぷり過ごした時間は惜しむ間もなく過ぎてった。
4,5,6日と遅い正月休みは既に独りぼっち。普段はなかなかベースギターの練習なんて出来ないけれど、休日にはいつも4時間か5時間は割く。
最初は全然合わなかった運指と弾きのタイミングが少しはマシになって来てはいるけれど、この錆びは簡単には落ちないな。

1月11日、ライブ会場が決まる。どのようなライブがベストなのかを何度も話し合い、その希望をほぼ満たす箱を明実が押さえた。
*2/3 @吉祥寺 RockJoint GB
休日の昼間にせねばならなかったので、通常のライブハウスのブッキングではなく完全に貸し切りで。
10時から15時までの契約。その間に搬入、リハーサル、本番、撤収。

キャパシティは100以上あり、90位は入れないとペイ出来ないが、もう逃げられない状況にあり、これからがいよいよ大変になる。
集客の苦しさはそれこそ昔さんざん味わったけれど、それもまた20年振りに帰って来た、、

しかし、リハの度に動画撮影して、それをすぐに全員がYouTubeで観れるようになってるのだが、どうも自分独り、何だかロックっぽくないのね。
なので正月に実家に行った折、当時のエンジニアブーツとかDr.Martinの8ホールブーツとか持って来た。エンジニアは猫の爪とぎにされていたみたいで、そこが少しロック。

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*1月13日 4回目のリハーサル@20時~22時 吉祥寺StudioPenta
明実のSaxphoneがとうとう復活。
Sax入りの曲を中心にリハーサル。まだしっくりとは来ないけれど、やはりこの音が入ると華やか。この立ち姿、メタリックな煌めき、Easyriderのロックンロールの完全なカタチ。

*1月20日 5回目のリハーサル@20時~22時 吉祥寺StudioPenta
課題曲 *BornToBeWild*Knock’nOnHeavensDoor
この2曲はオリジナルではないけれど、よく演った。今でも格好良く演奏出来る。缶ビール片手にね。
しかしここにきてオリジナルの1曲だけが、どうしてもしっくり来ない。
この曲だけは昔のように弾くことが出来ない。弾いてて全然楽しくない。色々策を考えるが、何も浮かんで来ない。
Funni-Funniは刻の向こう側に置いてゆく。そしてバンドは先へ進む。

けんはその日の体調でリハ後呑みには来たり来なかったりだけど、やはり全員で呑むのはやたら楽しい。
それぞれ、昔の仲間に連絡し始めているので、そういうゴシップも豊富。
今の状態でのドラムプレイを巧い、下手で語ろうとする、YouTubeを観たらしい遥か昔のバンド仲間がいたりして、そういう妙な反応もあるにはあるが、快く了承してくれる仲間も大勢いる。
九州や大阪からもたくさん来てくれる。簡単には切れぬロックの絆ってあるんだな。その端っこに自分がまだ繋がっていたなんて思いもしなかったことだが。

ロックンロールは重い意味を引き摺りながらも「世界」を突き抜ける暴走列車だ。

何を今更そんなことを。

この物語を始めた頃に、けんからメールを貰った。
曰く「俺の癌とロックンロールは無関係。ことさらそれを売り物にライブをしたくない。お涙頂戴は真っ平で」
わかる。ホントに凄くわかる。でもな、もう「事」は大勢の人、いや仲間の気持ちを巻き込んで走り出してるんだ。

もう一度言う。
ロックンロールは重い意味を引き摺りながらも「世界」を突き抜ける暴走列車だ。
四人は降車不可。
このクレイジーな列車の機関手はきっとお前だろう。

でも俺は嘘吐き。
ロックは、ロックンロールの弾丸は、俺の嘘を正確に打ち抜く。きっと君の嘘も。
それ見たことか。

誰かが大声で笑っている。

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Easyrider物語 #5 / 段々と色素が抜けていって、最後には消えてしまうのかな。

この物語を書くことには若干の抵抗はある。
しかし矢張り物語は必要なのだ。ストーリーのない商品、物件は人を惹きつけない、人の間をただ消費としてすり抜けてゆくだけの、、

物語だけど事実。事実だが物語。と、そういう風にしたかった。

明実から全員へのお達しメールの抜粋。これを読んだらやはりこれしかなかったのだな、と思う。
「で…みんな
ここらでもう一度シビアな話しとくよ

ホール \189000
機材 \3150
映写 \10000
DVD \2000
写真(植田) \20000

トータル \224150

当初の65人ではなく
大人75人でペイ
…なわけで

今んとこ確定は大人32人くらい
あと大人33でようやくペイです
赤出たらワリカンだからね~~」

*2月4日 6回目のリハーサル@20時~22時 吉祥寺StudioPenta
課題曲 *Funni-Funniと差し替えにしたStepMother(この曲はアップテンポで細かい展開も多く、過酷度が高いので止めといたのだが、、)

ところで正月にけんから来たメール。

「本日病状検査で今行ってる抗癌薬治療に一定の効果が認められるとのことでR-CHOP を予定通り六回目(1月27日)までやることになりました。その後は多分3月位にPET 検査、CT 検査等を行い一連の治療の綜合評価を行い治療方針を検討するそうです。そんな訳でとりあえず当分の間は入院等の心配は無さそうなのでイジーライダー続けられそうです。良かった。」

これ読んで、取り敢えずは皆一息ついた、という感じだったし、1月中のリハーサルも良い感じで進んでいたのだけれど、、
6回目の治療を終えて酷くやつれていた。何かがっくりと。色素の抜けた眉毛が僅かに残っているが、その貌は深いところまで白くなってしまった。
力を込めて打っているのだけは伝わるのだが、その音に重さがない。ミスショットも多い、どころかスティックをうまく握れていないないようだ。掌の皮膚にも異変があると云う。

リズム隊にとってはEasyrider史上1,2を争う過酷曲ではある。これは矢張り無理なんじゃないかと皆が思い始めた頃。
けんは不屈の男になっていた。いつ不屈の男になったのだろう、20年前は全然そうではなかったのに。

不屈に歪む貌は見せたくないのだろう、帽子とサングラスで苦痛を隠し、不安定な部分を何度も修正しながら、でも最後には叩き切っている。

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不屈。だけど最初の頃に感じたあの重みはなくなっていた。そこまでに体力を削り取られていろのだろう。その兆候はしかし、1月の後半のリハから少し感じてはいた。でもここまで著しくなろうとは。無慈悲で過酷な、生きるための方法。
しかし、またこれからだ。治療に一定の効果が認められていると云うし、治療の再開までは暫く間がある。

疲労困憊でもっとよれよれになってしまったけんはすぐに帰宅。残り組はいつもの居酒屋で、でもなんとなくしんみりとワインなんかを飲んだ。
集客が当初の気持ちや勢いとはやや違い、それほど伸びていないってのもある。ひとの色んな反応を見た、良いも悪いもなく、ただ、見た。そんな話とか。

物語を提供した限り、その反応については何も思ってはいけない、のだ、とも。

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